スーパーカロライジング処理された鋼は、表面に高Al濃度のFeAl合金層を有しており、大気中にて高温下に晒されるとAlが選択的に酸化し、最表面に緻密なAl2O3被膜を生成します。そのAl2O3皮膜がO2侵入を抑制するために、酸化速度が著しく減少し素材の酸化を防ぎます。スーパーカロライジング層表面の酸化が進行し、Al2O3皮膜が厚くなっていくと、その皮膜の内部応力に耐えきれなくなり破壊したり、或いは加熱冷却による熱膨張収縮によってAl2O3被膜が剥離し、再びスーパーカロライジング層が露出します。この様にAl2O3被膜が生成・脱落を繰り返すことによってスーパーカロライジング層が消耗しながら素材を守っていきます。又、900℃以上の高温に長時間晒されると、Alが徐々に内部拡散し、スーパーカロライジング層が厚くなるに従い、Al濃度か低下していきます。表面のAl濃度が7%以下になると、Alの選択酸化が行われず、鉄も同時に酸化され、連続的なAl2O3皮膜の生成が困難となり、酸化速度が急激に増加しスーパーカロライジング層の寿命になります。
<<900℃×1000Hr加熱後のスーパーカロライジング層厚の変化>>
<<950℃×700Hr加熱後のスーパーカロライジング層に於けるAl濃度の変化>> Alの内部拡散<加熱前Al含有量80mg/cm2>
<<SS400スーパーカロライジング材の高温大気中に於ける寿命>>

900℃以下 ・・・・・・・半永久的
900℃〜1000℃ ・・・ 無処理材の約20倍

1000℃で1000hr以上の寿命が必要な場合は、オーステナイト系ステンレス鋼のスーパーカロライジングをお勧めします

※水蒸気及びSO2ガスによる高温酸化に対しても大気中と同様に優れた抵抗力を有します。
高温酸化テスト(テスト時間1000hr)
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