中〜高炭素鋼、工具鋼あるいは鋳鉄にクロコートTMすると、表面に層厚10〜40µm硬度1,400〜1,800mHvで摺動性良好の(FeCr)炭化物層が形成されるので、耐摩耗性がUPし、且つ焼き付きを起こしにくくなります。又、炭素製品にクロコートTMすると表面に高硬度のクロム炭化物が形成され耐摩耗性がUPします。
FeCr炭化物層厚

硬度
: 10〜15µm

: 1,600〜1,800mHv

 SCM435(浸炭品)クロコートTM後の断面ミクロ組織


オーステナイト系ステンレス鋼にクロコートTMすると表面に層厚60〜120μm, 硬度900〜1,200mHvクロム濃度40〜70wt%のCr-Ni-Fe化合物層が形成され、耐摩耗性、耐食性がUPします。(特許取得済み)


FeCr化合物層厚: 100〜110µm
硬度         :1,000〜1,200mHv  

SUS316L  クロコートTM後の断面ミクロ組織

重油及び石炭焚きボイラーに於ける低融点燃焼灰による高温腐食に対し、クロコートTM鋼は大きな抵抗力を有しています。

≪石炭焚きボイラーチューブ≫
一般に、材料中のCr濃度が高いほど、耐食性の優れていることは知られております。また、17−14CuMo(PHステンレス鋼)及びSUS347HのクロコートTM鋼の耐食性はIN671(50Ni−50Cr)に匹敵します。

≪重油焚きボイラーの高温部防振材の耐食テスト結果≫
試験材   : SUS304、SUS310S、45Cr30Ni及び左記材質のクロコートTM
試験温度 : 800℃、900℃
合成灰   : Na2SO4 60モル%、V2O5 40モル%
試験ガス  : SO2−0.1%、CO2−15%、O2−2%、残りN2
試験時間 : 100hr
    試験片
腐食量
SUS304 SUS310S 45Cr30Ni
無処理材
(mg/cm
クロマイジング材
(mg/cm
無処理材
(mg/cm
クロマイジング材
(mg/cm
無処理材
(mg/cm
クロマイジング材
(mg/cm
800℃に於ける
腐食量
118 5.78 29.0 3.53 9.8 1.68
900℃に於ける
腐食量
173 12.5 66.6 5.75 18.1 3.74
  上表から素材に比べ約5−20倍の耐食性・耐腐食量であることが解ります。



クロコートTM鋼はカロライズ鋼と同様なメカニズムで、大気中高温下で表面にCr2O3被膜を生成し、その被膜がO2の侵入を抑制する為、耐高温酸化性に優れています。但し、連続的なCr2O3被膜を生成するのに必要なCr濃度はFe−Cr系、Ni−Cr系の場合20wt%以上Co −Cr系の場合25wt%以上です。(Fe−Al系の場合、Alは8%以上)又、炭素製品の高温酸化による減肉防止にも効果があります。

クロコートTM鋼は、強酸(塩酸、硫酸)に対してはあまり耐食性は良くありませんが、硝酸(希硝酸、濃硝酸)に対しては非常に優れた耐食性を示し、アルカリに対しても優れた耐食性を有します。又、海水、石油、溶融青化物、溶融塩化物に対して耐食性良好です。